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 急速に宇宙での影響力を強める中国。何をしようとしているのか。日本や米国はどう向き合うべきか。日米3人の専門家に聞いた。(聞き手・峯村健司)

トッド・ハリソン米戦略国際問題研究所上席研究員「米軍内、宇宙分野の統合を」

 「最初の宇宙戦争」と呼ばれたのは1991年の湾岸戦争だ。米軍は全地球測位システム(GPS)やミサイル警戒などで衛星を有効に活用した。その後の戦争を通じて、宇宙空間と軍事作戦の一体化が進んだ。

 この過程を見てきた中国は、宇宙利用こそが米軍の強みであると同時に弱点でもあると気づいた。米軍の宇宙システムは、戦時に格好のターゲットになる。そこで衛星破壊の開発に着手したのだろう。

 中国がミサイルで自国の衛星を撃ち落としてみせたのは2007年だ。我々には衝撃だった。その後も着実に技術を上げている。ミサイルのほか、電波妨害や高出力レーザーによる攻撃の研究を進めている。

 サイバー攻撃も深刻な問題だ。14年には米海洋大気局のシステムが中国からのサイバー攻撃を受けて故障し、衛星からのデータを一時受信できなくなった。このシステムは世界の気象や海洋の観測データを集め、米軍にも提供している。

 仮に戦争が起きた場合、こうした目に見えない攻撃が行われる可能性が高い。もし衛星の制御システムがサイバー攻撃を受けたら、全衛星が使えなくなる恐れがある。商業衛星の防御力を高めることも課題だ。

 中国の攻撃能力の向上に米国の防御態勢が追いついていないのが現状で、危機感を抱いている。紛争を防ぐ最も良い方法は、こうした弱点を克服し、相手にとって魅力的なターゲットにしないことだ。

 トランプ政権が公表した「宇宙軍」構想はいい考えだ。米軍内では宇宙分野の担当が分散している。これらを統合して宇宙に特化した司令部をつくる必要がある。また、宇宙に関わった隊員が定期的に別の部署に異動してしまう。全軍の宇宙分野に関わる人材を集め、専門の訓練や装備を充実させるべきだ。洗練された宇宙の戦略や政策を立てることも求められている。

「ハリウッド映画のようなイメージは、現状とかけ離れている」。見えにくい宇宙の安全保障を、さらに解説します。

■福島康仁・防衛研究所研究員「…

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