「余命10カ月」から9年 意識変えた医師の「闘え」

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聞き手・黒田壮吉
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 肺がんのステージ4と、2010年に診断された日本肺がん患者連絡会理事長の長谷川一男さん(48)。「余命10カ月」と言われてから9年がたちました。これまでの治療や患者会の活動などについて伺いました。

1971年、東京都生まれ。2010年に肺がんステージ4の診断を受ける。12年に右肺全摘、15年に腹部などに転移発覚。同4月、NPO法人肺がん患者の会「ワンステップ」設立。同11月、日本肺がん患者連絡会を結成。16年12月の世界肺癌(がん)学会で、ペイシェント・アドボカシー・アワードを受賞。

「闘え」。セカンドオピニオンで意識変わる

 39歳だった2010年2月、今まで経験したことのないようなひどいせきに襲われました。1週間が過ぎても、せきは止まりません。38度以上の熱が続き、首の付け根あたりが見たこともない腫れ方をしてきて、地元の病院に駆け込みました。診断は、肺がんの一種の肺腺がんのステージ4。「治療しないと3カ月。治療すると10カ月前後」という告知時のメモ書きが残っています。どうやって部屋を出て、病室に行ったのかなど、記憶がほとんどありません。

 妻に促され、セカンドオピニオンで2人の医師に意見を聞きました。病名や予後などについては、主治医を含め3人の意見は変わりません。ただ、3人目の医師は今後の生き方に対しての言葉が全く違いました。

 診察室に入ると、まず私を頭…

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