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 今年度の和歌山県の文化表彰の表彰式が1月31日、県庁であった。かつらぎ町出身の俳優、小林稔侍さん(77)や音楽プロデューサーの酒井政利さん(83)ら受賞者6人と1団体に、メダルや表彰状が贈られた。

 文化賞を受賞した小林さんは県立笠田高校卒業後、上京。映画「地獄の波止場」でデビューし、深作欣二監督の「仁義なき戦い」シリーズなど任俠(にんきょう)映画を中心に活躍した。式典後の会見では「自分は団塊世代の前。(戦後)夢と飯を求めて、ただ濁流のように皆が東京に流れた。その一員です。ただの俳優です」と話し、「役に人生を人間を教えられてきた」と語った。また、和歌山人らしく「いまだにザとダの区別がつきにくい。(銀座を)ギンダといって笑われてね」とユーモアたっぷりに話した。

 文化功労賞を受賞した酒井さんは、旧保田村(有田市)出身。日本コロムビアやCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)の音楽プロデューサーとして、南沙織、郷ひろみ、山口百恵ら数々の歌手を育て、レコード業界黄金期の礎を築いた。

 会見では「(プロデューサー人生で)一番励ましてくれたのが和歌山の仲間や恩師。今日はその顔が浮かんだ」と語った。また、山口百恵のヒット曲で自身がプロデュースした「いい日旅立ち」(谷村新司作詞作曲)の制作秘話を紹介。「あれは自分の故郷の心象風景」と語った。入社時の面接で「ふるさとの歌をやりたいと話した」といい、「ずっと温めていて、実ったのがあの曲。海、川、山が豊かな故郷のイメージでできた」と話した。(土井恵里奈)