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 米国と中国が貿易を巡って激しく対立している。根底には民主化を求め続けてきた米国と、国家主導で発展してきた中国の経済体制をめぐる攻防がある。安全保障や先端技術の覇権争いに直結するだけに争いの根は深く、国際経済秩序は重大な岐路を迎えている。危機を避けるために必要なものは何だろうか。(青山直篤)

 「米国人はみな、価値観を共有しない国の恩恵を受ける企業が、米国の通信機器市場に入り込むことに懸念を持つべきだ」。米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は1月28日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)幹部孟晩舟(モンワンチョウ)被告の起訴を発表する会見で訴えた。民主主義をとらない中国に警戒を隠さず、米中関係を象徴する場面だった。

 2018年春から本格化した通商紛争は、米国が知的財産侵害を理由に、中国製品に対する追加の関税措置を発動し、中国も報復関税で対抗。制裁と報復の連鎖が続いた。昨年12月のトップ会談を機に、今年3月1日を期限とする米中通商協議が設定された。

 中国が国有企業に膨大な補助金を出したり、米企業の知的財産を盗んだりして、人工知能(AI)や次世代通信規格「5G」など軍事にも直結する先端技術で覇権を握ろうとしている――。こうした懸念は米議会や産業界に広く浸透している。一連の摩擦では、トランプ米大統領の保護主義的な発言に注目が集まりがちだが、脅威論を追い風に安全保障や防諜(ぼうちょう)、経済、通商などを担う米政府機関が一斉に華為などの中国企業への圧力を強めている。

 中国は、自らの国民にすら十分な説明責任を負っていない。米側の疑念は、民主主義をとらず、国家主導の産業政策で成長を推し進めてきた中国の政治制度そのものに根ざす。強固な権力基盤を持つ指導者との「ディール(取引)」の成功を誇示したがるトランプ氏が、通商協議で一定の合意を演出したとしても、火種は長くくすぶり続けそうだ。

 米ランド研究所の政治学者、マ…

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