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 誰もが安全に楽しめる海辺に――。茨城県大洗町の大洗サンビーチを拠点にするユニバーサル・ビーチ協会(旧大洗ユニバーサルビーチクラブ)が、総務省が主催する今年度のふるさとづくり大賞を受賞した。砂浜のスロープ整備や、年間を通した幅広い交流事業などが評価された。2月4日に表彰式がある。

 同協会は、1992年からビーチでライフセービング活動をしていたクラブを母体とし、障害がある人や高齢者が自由、安全、快適に過ごせるようなビーチ整備を目的に、2009年に団体化した。ライフセーバーやまちづくりに関わる市民、大学生ら約30人がメンバーだ。

 活動が始まったのは1995年ごろから。貸し出し用に用意した水陸両用の車いすは現在約20台。利用者登録は1350人に上り、県外から訪れる人も多い。普通の車いすでも海辺に近付けるように総延長約50メートルの木製スロープも設置する。

 海水浴の時期は、障害や年齢に関係なく毎日ビーチを利用できるほか、ダンスやスポーツイベントを毎週開くなど、日本初の「ユニバーサルビーチ」をうたう。バリアフリー対応したビーチは全国に約20あるとされるが、シーズンを通して利用できるところはほとんどないという。

 活動の特徴は、大学、行政、福祉団体、NPOなど多様な組織との連携だ。海での安全対策などを伝えるためのシンポジウムや車いすや白杖(はくじょう)の体験会、ビーチでのキャンプといったイベントを、年間を通して開いている。

 昨夏に同ビーチを訪れた海水浴客は19万8770人。東日本大震災の影響により、震災前年の2010年(56万7400人)の3分の1程度にとどまっている。このためユニバーサル化を特色のひとつとして、観光振興につなげることに期待する声も強い。

 井坂美子事務局長は「外国人が増えており、放送や案内などの表記も対応していく必要がある。また、障害のある方の両親は、自分たちがいなくなったあとの心配をする声が多く、受け皿となる活動もしていきたい」と話している。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(重政紀元)