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 医療とへき地を超高速通信で結ぶ――。和歌山県と県立医科大、NTTドコモの3者は、2020年の実用化に向けて動き出している次世代通信規格(5G)を活用した「遠隔診療の実証実験」を行っている。遠隔地の患者と専門医を通信システムでつなぎ、精細な患部の画像などを送ることで、診療ができるようになるという。

 5Gは通信のタイムラグが極めて小さく、大容量で超高速の通信ができることが特徴で、総務省や通信大手などが各地で実証実験を行っている。過疎化が進む地域の医療分野などでの活用も期待され、県と県立医科大、NTTドコモの3者は17年度に協定を締結。5Gを使って同大学と地方の診療所を結ぶ実験を行ってきた。

 今年度の実験では、同大学と直接患者宅をつないで訪問診療を行う。患者宅を訪問するのは地域の診療所の医師だが、患者宅と同医大を5Gの超高速通信でつなぐことで、離れた場所にいる同大学の専門医も診療に参加できる。県内で実験する利点について、同社は「山間部が多く診療所が点在する場所で実験効果が大きい」と話す。

 21日には実験のデモンストレーションとして、日高川町にいる心疾患の患者の遠隔診療を実施。診療を担当した穂積健之准教授(循環器内科)は和歌山市内の同大学にいながら、5Gの高精細映像を駆使し、患者のエコーなどの画像をリアルタイムで確認。「目の前にいるように診察ができた」と手応えを語った。

 実験では、地方の若手医師らへの「遠隔教育」も行う。離れた場所にいる医師に対し、同大学の専門医が胃カメラなどの操作を指導。地方病院の医師の育成に役立てる狙いがある。

 5Gの実用化について、NTTドコモは東京五輪・パラリンピックが開かれる20年のサービス開始を目標にしている。実用には5Gの基地局の整備が必要で、医療への応用はそれからだが、県は「実験結果を踏まえ、積極的に協力していきたい」と話している。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(土井恵里奈)