[PR]

 世界中の海から、プラスチック汚染の報告が相次いでいる。「ごみベルト」の存在が指摘されている太平洋はもとより、北極海や南極海、世界で最も深い太平洋・マリアナ海溝の底からも見つかっている。

 スペインの研究チームは2010~11年、世界の海を調査した。その結果、北太平洋、南太平洋、北大西洋、南大西洋、インド洋のいずれでもプラスチックごみが集積している海域があることが判明した。13年には地中海で同様の状況を確認したという。

 人間の多く住む地域から遠く離れた海域でも、プラスチックが見つかっている。

 南極海では16年、九州大学と東京海洋大学の共同チームが、プラスチックごみが紫外線などで劣化して細かく砕けた「マイクロプラスチック」を検出。九州大の磯辺篤彦教授は「場所によっては、北半球の平均的な密度に匹敵するほどのマイクロプラスチックを確認した」と話す。

 北極の氷からマイクロプラスチックを検出したという研究が複数出ている。

 なかでも、ドイツの研究チームは海氷から海水1リットルあたり最大1万2千個を検出。「過去に世界の海で報告があったなかでも最多に匹敵する。気候変動で海氷が溶け出せば、再び海に流れ出すおそれがある」としている。

 海に浮かんでいるプラスチックごみはごく一部だ。99・8%は沈んでいるとのシミュレーション結果もある。

 実際、海洋研究開発機構の無人潜水機「かいこう」は1998年、マリアナ海溝の水深1万898メートルの海底にポリ袋が沈んでいるのをとらえている。中国の研究チームによるマリアナ海溝の調査でも、水深が深くなるほどマイクロプラスチックの濃度が上がることが確認されている。

 プラスチックの影響は海にとどまらない。

 南米の熱帯雨林を流れるアマゾン川に生息する淡水魚16種の調査では、13種の体内からプラスチック片が検出されたという。

 研究チームは「アマゾン川でさえ、すでにプラスチック汚染が当たり前になってしまっている」と警告している。(杉本崇)

こんなニュースも