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 安さと便利さから大量に使われているプラスチックが、海を脅かしている。プラスチックごみが紫外線などで劣化して細かく砕けた主に5ミリ以下の粒「マイクロプラスチック」が、海の生態系に影響を及ぼすと心配されている。日本近海はマイクロプラスチックの「ホットスポット」。国外から流れ着くのに加え、マイクロプラスチックは私たちの生活の中から河川を通じ、海へ流れ出している。

 九州大の磯辺篤彦教授らの研究によると、日本近海のマイクロプラスチックの平均の密度は1立方メートルあたり3・74個。世界平均の約27倍だ。中国や韓国などアジア諸国から出たプラスチックごみが海流で運ばれてくる間に劣化して細かく砕け、流れ着いていると考えられていた。

 だが、東京理科大の二瓶泰雄教授が荒川のほか、最上川や利根川、川内(せんだい)川など全国の29河川を2015年から調べたところ平均密度は3・23個で、日本近海とほぼ同じだった。人口密度の高い都市付近ほど高い値を示した。街中にあるプラスチックごみの一部が雨水などと一緒に排水溝に流れ込み、河川を経由して海に流れ込んでいるとみられる。海外からの影響だけでなく、国内の問題でもあるのだ。

 環境省のペットボトルの漂着調査(2010~14年)でも、日本海側は中国製や韓国製が多かったが、太平洋側では日本製が大半を占めているのが実態だ。

 プラスチック循環利用協会によると、国内の廃プラスチックの発生量は年約899万トン(2016年)。そのうち約517万トンが燃やされてエネルギーとして利用され、約242万トンは別の製品などにリサイクルされるなど、廃プラスチックの8割以上が再利用されている。

 一方で、米ジョージア大は、日本できちんと処分されなかったプラスチックごみが最大年5・7万トンが海に流出していると推計している。

 マイクロプラスチックは、魚や海鳥の体内だけでなく人間の便からも見つかっている。人間の健康にどう影響するかはまだ明らかになっていない。しかし、東京農工大の高田秀重教授らの研究では、魚を食べた海鳥の体内に、マイクロプラスチックが原因とみられる有害物質が蓄積されていることが分かっている。(杉本崇)

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