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 バングラデシュに逃れていたミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの帰還が始まらない。ミャンマー当局への不信感があるためだ。約70万人が逃れて1年半が過ぎ、難民生活は長期化している。(コックスバザール=染田屋竜太)

 バングラデシュ南東部コックスバザール郊外。竹の骨組みをシートで覆った無数に並ぶ簡易住居の一つを訪ねた。電気のない難民キャンプはどの家も薄暗い。

 「連れ戻され、殺されるなら自分で死ぬ方がいいと思った」。ディル・モハマドさん(60)が声を絞り出した。ここでの生活が1年半を超えた。

 昨年11月。殺虫剤を水に混ぜ一気に飲んだ。1週間後に始まる予定だった難民帰還の第1陣リストに自分の名前があった。「知らないところで準備が進んでいた」。気を失い、キャンプの医療施設で一命を取り留めた。

 帰還を拒むのは、ミャンマー側から逃れる時の光景が目に焼き付いているからだ。「村が焼かれ、遺体が転がっていた。(ミャンマー)軍の仕業だ」

無人のバス10台

 約70万人が難民になる発端は、2017年8月のロヒンギャ武装組織アラカン・ロヒンギャ救済軍(ARSA)による警察襲撃事件だった。これに対し軍や警察が掃討作戦を実施。ミャンマー側は否定するが、国連などによると多数のロヒンギャが殺され、家を焼かれたとされる。

 両政府は昨年11月、難民約2千人の帰還を始めるとしていた。だが別の帰還対象者のヌルル・アミンさん(50)は「用意された10台ほどのバスに乗る人はいなかった」と振り返る。帰還は先延ばしになった。

 「今の状況で帰りたい人はいな…

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