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映画「ファースト・マン」に主演 ライアン・ゴズリング

 相当な重圧があった、と言う。それも当然。演じたのは、月面を歩いた最初の人類、ニール・アームストロングだ。「歴史的偉業を成し遂げた実在の偉人を演じるわけだから。それに、息子さんたち家族までもがスクリーンで見るので、僕にとって、とても大きな挑戦だったのは間違いないよ」

 NASAによって進められた1960年代の宇宙計画と月面着陸への挑戦を軸に物語は進む。それと同時に、壮大なロマンの裏側で不安にさいなまれていた飛行士や家族の姿をも丹念に描いている。

 「撮影中によく語り合っていたことがある。僕らがポケットに入れているスマホの方が、人を宇宙に送り込んだ技術よりも優れているんだ、とね。そんな信じがたいミッションだからこそ相当な恐怖があったはずなんだ」

 準備段階では、アームストロングの妻や息子、元同僚らから話を聞き、役柄の人物像をつかんでいった。NASAの宇宙センターでは、飛行士たちが受ける訓練も体験した。「もう役作りを超えた経験だね。人生観すら変える転換点にもなった」と語る。

 最新鋭のIMAXと、アナログな16ミリなど、カメラを使い分けて撮影した。「宇宙以外の大部分は16ミリ。小型だし、演技もしやすい。粗い画質のおかげで肌が荒れていても目立たない(笑)。親密感もあって、ナチュラルに演じられたよ」。そのかいあってか、地上シーンでの写実的な描写と演技が人間ドラマに深みをもたらしている。

 一昨年のアカデミー賞で6部門を制した「ラ・ラ・ランド」に続く、デイミアン・チャゼル監督とのタッグでもあった。チャゼルが「ライアンがいなかったら、この作品は作れなかった」と語るほどの名コンビぶりを見せつける。

 では、主演俳優から見て、34歳の若き売れっ子監督はどう映る? 「チャゼルの映画には、幼い頃の憧れや夢を思い起こさせてくれる魔法が宿っている気がする。それは彼のストーリーテラーとしての独特の手腕なんだろうね」(小峰健二)

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 〈Ryan Gosling〉 1980年、カナダ出身。「きみに読む物語」「ハーフネルソン」で注目を集め、ハリウッド大作に多数出演。近年の出演作に「ブレードランナー 2049」など。「ファースト・マン」は8日公開。