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 衝動的に万引きを繰り返すクレプトマニア(窃盗症)。精神疾患の一つだが、これまでは犯罪として裁かれるだけで、適切な治療に結びつかないケースが多かった。茨城県内でも患者の自助グループが立ち上がったが、相談窓口の整備などはこれからだ。

 「常習万引きは犯罪ではあるが、罰するだけでは改善は見込めない。精神疾患としての治療が欠かせない」

 クレプトマニアをテーマに、県が1月に自治体や警察、司法の関係者向けに開いた研修会で、赤城高原ホスピタル(群馬県渋川市)の竹村道夫院長は声を強めた。竹村さんは2008年以降、症状が疑われる1900人以上を診てきたという。

 症状の定義はまだ確定していないが、経済的問題は無いのに万引きの衝動に抵抗できない▽万引きの際に満足感や解放感がある――などが挙げられている。医師のような社会的地位がある人にも珍しくない。米国では1千人に3~6人に疑いがあるという調査もある。

 劣悪な成育環境や対人関係などから生じる精神状況の悪化などが原因として指摘されている。密接に関係すると言われているのが、心理的要因で拒食や過食になる「摂食障害」だ。自傷行為など衝動的な行動を伴うことがあり、万引きもその一つとみられている。

 治療には心理面の支援が不可欠だが、万引きは刑法犯であり、これまでは矯正面での対応が中心だった。ただ、刑務所には、薬物や性犯罪については特化した改善プログラムがあるのに対し、万引きへの対応は乏しい。

 「患者は万引きの達成感で心の空洞を埋めている。穴をふさぐには、患者同士のグループミーティングが有効」(竹村さん)とされる。県内でも昨年6月、患者による自助グループ「KA(クレプトマニアクス・アノニマス)水戸」が立ち上がった。

 ただ、県内の公的機関で相談対応しているのは県精神保健福祉センター(水戸市)だけだ。相談自体も少なく、寄せられた相談で治療に結びついたケースはまだ1件という。同センターは「患者がいないのではなく、病気への認知が進んでいないことが原因。相談につながるように周知を進めたい」(相談援助課)という。(重政紀元)

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 自助グループ「KA(クレプトマニアクス・アノニマス)水戸」は毎月第1金曜日午後4時から、水戸市内で会合を開いている。アノニマスは「無名の・匿名の」という意味で、本名を名乗る必要はない。問い合わせはメール(ibaraki_mito_0330@yahoo.co.jp)で。

 県精神保健福祉センター(029・243・2870)も相談を受け付けている。

■衝動抑えられなくなる不安…

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