シリーズ:食べる
患者を生きる・食べる「1型糖尿病」(1)
「血液検査の結果、危険な状態です。至急お電話ください」。昨年の正月明け、仙台市の料理研究家・相田幸二(あいたこうじ)さん(43)は、新幹線の車中で留守番電話に残されていたメッセージを聞いた。東京都内のクリニックに電話すると、スタッフが「すぐ大きな病院に行ってください」と告げた。わけが分からなかった。
2017年12月はじめごろから体調がすぐれなかった。「風邪かな」と軽く考えていたが、年末になると、倦怠(けんたい)感とのどの渇きが激しくなってきた。体重も3キロ減った。年末年始は家族と都内で過ごしたが、ぐったりしていて、東京駅のそばのクリニックで尿検査と血液検査を受けていた。
仙台のかかりつけの医師に相談すると、仙台駅に着いたらすぐにタクシーで東北大病院に向かうことになった。糖尿病代謝科の医師・児玉慎二郎(こだましんじろう)さん(39)から「詳しく検査しますが、1型糖尿病が疑われます」と告げられた。
1型糖尿病は、異物から体を…