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 プロ野球は各地で春季キャンプが行われている。各球団が3月の開幕に向けて調整を加速させていく中、昨季、パ・リーグで最下位に沈んだ楽天が、秘密兵器を投入しようとしている。

 その正体は、スポーツ用品メーカーのミズノが開発した「MA(マ)―Q(キュー)」だ。重さはもちろん、手触りも試合で使われる公式球と一緒。だが中心部に特殊なセンサーが埋め込まれており、投球の1分間あたりの回転数や地面に対する回転軸の傾き、平均球速が計測できる。データはスマートフォンの専用アプリに蓄積され、すぐに確認できる。

 現在、多くの球団は本拠に専用の機器を設置して投球や打球の速度、飛距離、回転数などをデータ化している。だが地方球場やキャンプ地などには設置が進んでいない。ボール型の「MA―Q」はどこでも使用可能。計測される数値は、本拠球場などで使われている専用機器とほぼ同じという。

 楽天はキャンプに合わせて7個、購入した。ミズノによると、12球団で購入したのは楽天が初という。ボールの回転数や回転軸の傾きを計測することで、投手の好不調の波をはかったり、数値を出すことでレベルアップにつなげることが期待される。

 キャンプインの1日、ヤクルトなどで活躍した伊藤智仁投手コーチがキャンプ地の久米島野球場で試投。使い勝手を確認した。伊藤コーチは「さわり心地も含めて、普通のボールと変わらない。投げた感覚とデータが一致するかをすぐに確認できるし、新球種の習得にも使えそう」。3日には、先発の美馬がブルペンで「MA―Q」を試し、「持った感じは気にならなかった」。

 新たに就任した平石監督は「本気で優勝をめざす。そのためにも、岸と則本昂の二枚看板に続く先発の柱が出てきてほしい」と話す。本格導入するかは未定だが、最先端技術も使って、投手陣は「魔球」のような打たれないボールを習得したいところだ。(松沢憲司)