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 冬晴れの空に黒いフィルムの遮光板をかざす。小学3年の小佐野諒(りょう)さん(9)が「太陽は本当に丸いんだね。緑っぽい」と声をあげた。

 東京・築地の国立がん研究センター中央病院。小児病棟にある院内学級、都立墨東特別支援学校「いるか分教室」では、小学部から高等部までの10人ほどが授業を受ける。太陽の観察は理科の授業。主要教科はもちろん、音楽も体育もテストもある。

 諒さんの病気は小児がんの一種のユーイング肉腫。昨年7月の入院時は腫瘍(しゅよう)が神経を圧迫し、手足がまひしたが、手術と抗がん剤で動くようになった。東京都八王子市の自宅に近い小学校から転校し、9月から「いるか分教室」へ。女子同士、話せる友達もできた。授業のない土日が「つまらない」と言うほど気に入って通う。

 子どもたちにとって分教室は大切な場所だ。先生や友達がいて、面白いことがある。痛みがあっても薬の副作用で吐いても、「大丈夫」と言って来る子は多い。

 「スムーズに元の学校に戻るために学習が遅れないのは大事。同年代と楽しく過ごすのはもっと大事」と河野聡美先生(28)。

 諒さんの治療も終盤。春までには元の学校に戻れる見込みだ。それまで、帰りを待つクラスメートと、エールや近況をつづる交換日記を続ける。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(上野創、写真は池田良)