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 1月上旬、国立がん研究センター中央病院小児病棟(東京・築地)のプレイルーム。午後7時に、おもちゃをたくさん載せたワゴンを押して女性3人がやって来た。面会終了時刻から寝る前までの1時間余り、ボランティアが「遊び」を届けてくれる。

 読んでもらった怪獣の絵本が怖くて半べそをかいた小宮山らいか君(5)は、母親の佳代さんから優しく声をかけられ、涙をふいておもちゃに手を伸ばした。神経芽腫(がしゅ)の治療を受けている。東京・板橋の病院から1年半前に移り、化学療法や腸閉塞(へいそく)などを乗り越えてきた。痛みはあるが、夢中で遊んでいると気が紛れるという。

 「新しいピアノのおもちゃが来たよ。ほら、やってみる?」。週3日通う近藤早苗さん(69)は保育士の経験を生かして自然に誘う。小中学生の相手もお手のものだ。年長の子が幼い子と遊んであげる場面も多い。子どもたちの様子を見ながら、テーブル席では、子どもと一緒に泊まる乳幼児の親同士の会話も始まる。

 夜、小学生以上の子はひとりで眠る。ボランティアは、親が帰った後の寂しい気分を少し変える存在だ。

 そろそろ8時。近藤さんは絵本を読み聞かせ、幼児の気持ちを落ち着かせる。「おやすみ。また思い切り遊ぼうね」

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(上野創、写真は池田良)