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 独特な外観で建築学的価値も高いとされる旧都城市民会館(宮崎県都城市)が解体される。池田宜永市長が5日、「老朽化が進み、安全管理上の問題などもあり、解体はやむを得ない」と発表した。市は新年度予算案に解体費用を盛り込む方針。

 会館は、戦後を代表する建築家の一人だった故・菊竹清訓(きよのり)氏が設計し、1966年に完成。菊竹氏や故・黒川紀章氏らが提唱した、時代や用途の変化に応じて建築物も都市も新陳代謝していくという「メタボリズム」建築運動の代表的建造物とされる。巨大なカタツムリやアルマジロのように見えるという人もいる。

 2007年に閉館。市議会が同年、解体予算案を可決したが、南九州学園(宮崎市)が使用を申し出て09年、市から無償貸与を受けた。だが、学園は費用の問題などから改修できず、17年末、市に返還を申し入れた。市の昨年7月の市民アンケートでは83・5%が「解体」と答えた。

 日本建築学会は昨年、再生活用計画案をまとめるなど保存に向けて動いてきた。市も民間企業を対象に保存活用案を募ったが、期限の今年1月末までに提案はなかった。

 池田市長は「改修保存に市が多額の費用をかけることは多くの市民の意思に沿うものではないと考える」と述べた。(神谷裕司)