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がんとともに 子どもたち

 「また来るね」。病室を出る古城(ふるしろ)和也さん(45)を、娘の琴音ちゃん(2)が見つめた。1月末、長崎大学病院(長崎市)の小児病棟。仕事が休みだった前日から付き添い、午後に妻の夕恵(せきえ)さん(38)と交代した。

 急性リンパ性白血病で昨年12月10日に入院して1カ月半。琴音ちゃんの病名を知った時、和也さんが思ったのは「助からないかも」。夕恵さんは涙を流すばかりだった。

 だが、医師からは「8~9割は治る」と言われた。琴音ちゃんは治療で髪が抜け、ぐったりする時間が増えたが、小さな体で吐き気や注射にも耐えている。「親も頑張らないと」。2人は心を決めた。

 車で約2時間の自宅と病院を交代で行き来し、体を縮めて病室のベッドで添い寝する。琴音ちゃんには、まだ幼い3人の姉がいる。夕恵さんの母親と弟の助けを借りながら、力を合わせて危機を乗り切ろうとしている。

 感染を防ぐため、琴音ちゃんはクリスマスも正月も個室から出られなかったが、抵抗力がついて1月下旬に大部屋へ。今はプレイルームで過ごすのが大のお気に入りだ。食事後、自分でベッド周りのカーテンを開け、マスクをして「さあ、連れてって」とサインを送る。

 一家の楽しみは次の外泊だ。見通しは春の入り口ごろ。末っ子の帰りをみんなが待っている。(上野創)