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 中東イエメンを取材予定だったジャーナリスト・常岡浩介さん(49)が外務省から旅券返納を命じられた問題で、河野太郎外相は5日の記者会見で「2日、邦人男性に(旅券返納の)命令書を交付した」と認めた。一方で、「個人情報に関わる」として氏名などは明らかにしなかった。

 常岡さんによると2日、羽田空港の出国審査で旅券の返納命令を告げられ、渡航できなかったという。「旅券を返納させて、あらゆる国への渡航を妨げようとするのは、憲法の保障する渡航の自由に反するし、報道活動の妨害にほかならない」と訴えている。

 河野氏は会見で、常岡さんの主張について「行政不服審査、訴訟(の権利が)が保障されている。必要ならばそういう手段に訴えられるだろう」と述べた。一方で、ジャーナリズムの役割と邦人保護のあり方への認識を問われると、「危険な場所で取材されているジャーナリストに敬意を表したい」とも語った。

 外務省は内戦やテロが続くイエメンの危険情報を、最も厳しい「レベル4(退避勧告)」に設定している。ジャーナリストの渡航をめぐっては、外務省は2015年にも、シリア行きを計画していた男性に旅券返納を命じたことがある。男性はその後、命令の取り消しなどを求めて提訴したが、敗訴が確定している。(鬼原民幸)