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 エジプト大統領の任期を現行の4年から6年に延ばし、最高憲法裁長官らを大統領が事実上任命できるようにする憲法改正の動議を、シーシ大統領を支持する議員らが提出した。すでに国会での審議が始まっており、軍の影響力を受けた強権的な政権の長期化や、司法制度の骨抜きを懸念する声が高まりそうだ。

 国営中東通信によると、国会総務委員会は5日、シーシ氏を支持する最大会派から提出された憲法改正を求める動議を採択した。今後、本会議でも動議が採択されれば、改憲の議論が本格化するとみられる。

 エジプトでは国会議員の3分の2以上が賛成し、国民投票で過半数が同意すれば憲法を改正できる。国会議員の約9割はシーシ氏支持とされるうえ、昨年の大統領選でシーシ氏は97%の票を得て再選されており、改正実現の可能性は高いとみられる。シーシ氏の支持議員らは「国の安定・発展には大統領の任期延長が必要だ」と主張している。

 2014年にできた現行憲法は、大統領任期を連続2期8年までと定める。14年に初当選したシーシ氏の任期は22年に満了を迎える。改憲が実現した場合、シーシ氏は新たな2期分として、34年まで大統領でいられる可能性がある。

 シーシ氏は国防相だった13年、軍を動かして当時のムルシ大統領を失脚させた。自ら大統領となった後は、ムルシ氏の出身母体・ムスリム同胞団を「テロ組織」とみなして弾圧。政権を批判した記者やブロガーらも相次いで拘束され、欧米諸国や国際人権団体から批判されている。

 一方でイスラム過激派の掃討も進め、過激派の攻撃を大幅に減らした点を評価する声もある。(カイロ=北川学)