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自治会をつくって町おこし:後川茂紀(あとかわしげのり)さん(29)

 大阪城下の中心地として栄えた大阪・船場。自治会「南船場4丁目連合会」を作り、街の盛り上げに尽力している。

 きっかけは2年前だ。訪れた近くの美容院で、美容師が「お客さんにお薦めの店を尋ねられても紹介できない」と嘆いていた。南船場4丁目にはチェーンのドラッグストアなどがなく、服屋や飲食店、美容院やアンティークショップなど個性的な個人経営の店が多い。魅力は十二分にある。だが地代が上がり、人を雇うのも大変なため、自分の店を離れる余裕がない。商いする街をよく知らないという悩みだった。

 再開発で注目される梅田や阿倍野、御堂筋を隔てて東側の心斎橋は外国人旅行客でにぎわう。自らのルーツがある街が、そうした地域のはざまで落ち込んでいると感じていた。誰にも色づけされていないからこそ面白く発信できると、町内会五つ分のエリアを束ねた連合会を構想。都心部で町おこしといえばコンサルタントを雇う場合も多いが、浴衣コンテストを主とした「センバるフェス」という催しを手弁当で開催、店舗紹介のマップも作った。

 連合会のメンバーは現在60人超。週1回の朝活や、交流会で意見を出し合う。「元々、手を取り合う地域性。みんなで暮らしを楽しくする街にしていきたい」

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〈略歴〉 大阪・船場で1929年に創業した材木屋の4代目として生まれ、不動産管理会社社長を務める。会社がある地区の町内会「横堀七丁目振興町会」では書記。

記者から

 父の口癖だという「地域よし、人よし、自分よし」の三方よしを受け継いでおられると実感。(文・写真 山田佳奈)

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