詩情あふれる風景の絵や花鳥画で知られた日本画家の堀文子(ほり・ふみこ)さんが、5日、心不全のため死去した。100歳だった。葬儀は近親者で営んだ。後日、お別れの会が開かれる予定。

 東京・平河町生まれ。女子美術専門学校(現女子美術大学)で学び、創画会などで活動した。うつろいゆく自然の姿を日本画特有の透き通った色合いと端正なタッチで描き続けた。

 自然、生命を生涯のテーマとしながら新境地を追い求め、イタリアの古都アレッツォ郊外にアトリエを構えたり、幻の花ブルーポピーをたずねてヒマラヤの高地に赴いたり。80歳を超えて動脈の病気で倒れた後は顕微鏡をのぞき、プランクトンなどのミクロな世界を優美に描いた作品で注目を集めた。「命といふもの」や「ホルトの木の下で」などの著作でも知られた。

 親しみやすい画風と同時に、自身を「わたくし」と呼ぶ丁寧な、かつ東京育ちらしい切れ味のいい語り口と若々しい姿でも人気に。「群れない、慣れない、頼らない」がモットーで、バブル景気以降の日本人のおごりを嫌い、晩年は「大きな公募団体展は好みません」と画壇からも距離をとっていた。