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 スマートフォンなどを使いながら車を運転する「ながら運転」。全国で死亡事故につながるケースも多いことから、警察庁は昨年末、罰則を強化する試案をまとめた。埼玉県草加市で2年前に起きた母子が死傷する事故の遺族が、朝日新聞の取材に応じた。事故後も減らない「ながら運転」の危険性を、もっと理解してほしいと願う。

 2017年2月8日。草加市内の歩道を次男の手を引いて歩いていた荒井美季さん(当時38)=同市=が、トラックにはねられた。次男は美季さんが直前に手を離して軽傷で済んだが、美季さんは死亡した。

 翌日が次男の2歳の誕生日だった。育児で仕事を休んでいた美季さんは、近く銀行員の仕事に復帰する予定だった。

 トラックを運転していた男(30)は自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)などの罪で禁錮2年6カ月の判決を受けた。判決によると、男は約20秒間スマホの地図を注視し、赤信号を無視して交差点に進入。別の車と接触した後、母子をはねた。

 あれから2年。夫の健次さん(45)は「妻は無駄死にだった」と無念の思いを語る。

 今でも街中でスマホを手にする運転手を頻繁に見かける。そのたびに「器用な運転するよな」と皮肉に思う。罰則強化だけでながら運転が撲滅できるかというと、疑問に感じる。あおり運転の危険性が浸透しつつある一方、「ながら運転が人の死につながると認識している人は少ない」と思っている。

 「スマホを見ながら運転するなんて、危険に決まっている。もはや過失じゃない」

 美季さんが思い描いていたのは「平凡でも、家族一緒の幸せな家庭」だった。妻を亡くした今、健次さんは早朝から家事、昼間は会社員として働き、高校生の長男を含め2人の息子を育てている。「親1人でもできる」と、次男の保育園では父母会長も務める。

 加害者に対して怒りはない、という。罪を犯した自覚は持ち続けてほしいと思いつつ、こう願う。「彼はまだ若い。結婚して、家庭を築いてほしい。そうしたら、家族を失った俺の気持ちがわかるだろうから」

■「ながら運転」罰…

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