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 五輪で金、銅の二つのメダルを獲得し、7日に引退会見を開いた柔道女子57キロ級の松本薫さん(31)。「野獣」と呼ばれた畳の上の厳しい表情がクローズアップされてきたが、普段は飾らない明るい性格で、柔道界から広く愛された。

 松本さんとリオデジャネイロ五輪に出場した女子48キロ級の近藤亜美(三井住友海上)は「松本先輩は五輪チャンピオンなのに、『私は強いんだ』と威張ることがまったくなかった」と話した。階級も世代も違う。それでも10代だった近藤に松本さんは気さくに声をかけたという。「私が初めてシニアの大会に出た時、『打ち込みをしようよ』と言ってくれた。引退はすごく寂しい」

 帝京大の後輩で、17年世界選手権の女子52キロ級を制した志々目愛(了徳寺学園職)は「試合に向かう気持ちの持って行き方を教えてもらった。出産しても柔道を続けるのは大変だったと思う。今までそういう選手は少なかったので、(道を示した功績は)大きい」。男子66キロ級で世界選手権2連覇中の阿部一二三(日体大)は「試合に対する闘争心がすごいと常に思っていた。僕ももっと頑張らないといけない」と話した。

 日本代表の増地克之・女子監督は「暴力問題などで柔道界全体が苦しかった時、彼女の明るい性格が(柔道界を)勇気づけてくれた。子育てが一段落したら、ぜひ戻ってきて後進の指導に携わってほしい」と松本さんの今後に期待した。