IOCと中国アリババ、蜜月に 「五輪にデジタル革命」

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福田直之=杭州、稲垣康介=ローザンヌ、野村周平
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 レマン湖畔の街、スイス・ローザンヌにある国際オリンピック委員会(IOC)本部。1月22日、中国のネット通販最大手、アリババグループとIOCの幹部が一堂に集う戦略会議があった。

 IOC会長のトーマス・バッハ(65)がデジタル活用の重要性を訴えるかたわらで、アリババグループ会長の馬雲(マーユン〈ジャック・マー〉、54)が冗談めかして言った。

 「私の家には12個のテレビスクリーンがあるが、この1年、一度もつけたことがない。テレビはコンテンツを得る手段でないからだ」

 会議に同席していたIOCの初代マーケティング部長、マイケル・ペイン(60)はスポーツ界で起きている「第3の革命」をあらためて思った。

 第1波はテレビ中継が本格化した1960~70年代。第2波はスポンサー制度が確立した80年代。そして、いまはスマートフォンで映像を見てSNSで情報を拡散する時代だ。「アリババによるデジタル革命は、過去の2度と比べても、劇的な変化をもたらすと確信している」

 99年創業で、いまや世界有数の流通企業になったアリババは2017年1月、IOCの最高位スポンサー「TOP(トップ)(The Olympic Partners)」に加わった。TOPは現在、コカ・コーラやパナソニックなど13社。五輪マークを世界中で独占的に宣伝活動に使える権利を持つ。12年ロンドン大会まで4年で100億円前後が相場だった契約金は、さらに高騰しているとされる。

 アリババは、データやソフトウェアをネットを通じて管理するクラウドサービスにからむ業務をIOCから請け負う。20年東京大会は映像管理や選手の動きの3D分析にとどまるが、自国開催となる22年北京冬季大会では、チケット発券や輸送、セキュリティーなど、多分野で運営に深くかかわる考えだ。

 五輪はいま、岐路に立っている。IOCに加盟する国・地域は200を超え、経費負担は開催都市にのしかかる。開催に手を上げる都市も先細りだ。ドーピング問題や大会招致をめぐる買収疑惑など、肥大化する大会の負の側面も表面化した。

 だが、アリババの五輪担当役…

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