滝廉太郎最期の直筆楽譜「憾」、寄贈される 何と読む?

矢鳴秀樹
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 「荒城の月」を作曲した滝廉太郎(1879~1903)が、亡くなる直前に書いた絶筆の曲「憾(うらみ)」の直筆楽譜が、滝の親友の親族からゆかりの大分県竹田市に寄贈された。2曲しか書いていないピアノ曲の一つで、直筆の資料は貴重とされる。市は「人となりもしのばれる。大切に活用したい」と話している。

 滝は留学先のドイツ肺結核になり、帰国後の1903年に大分市で亡くなった。楽譜は亡くなる約4カ月前の2月14日に書かれたとされる「完成譜」と、赤字で「未成」の字が入り1902年10月31日の日付が入ったものなど。ドイツ滞在中に構想を練り、帰国してすぐ下書きをするなどしたらしい。病魔と闘いながら推敲(すいこう)を重ねたことをしのばせる。

 これら楽譜は、1979年10月21日付朝日新聞が「友人の遺族宅から発見」と報じ、存在は知られていた。今年に入ってこの親友の親族から「ゆかりの地の竹田で活用してほしい」と寄贈の申し出があり、今月7日に市役所へ届いた。

 親友に宛てた直筆の手紙もあった。病を患う前、ドイツの様々な所でショパンやベートーベンなどの演奏を聴き、「さすがに上手なり」「されど驚くほどの音楽者ならず」など、自信を持って学んでいる様子が書かれている。手紙は研究者が本でも紹介しており、その原本とみられる。

 結核で亡くなったため、身近なものはほとんど焼却され、これらは晩年を知る貴重な資料となる。市では「新たな発見があるかもしれない。改めて研究者に調べてもらい、その後は多くの人に見てもらえるようにしたい」と話している。(矢鳴秀樹)