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 昨年からの風疹の流行による初めての先天性風疹症候群の男児が、1月末、埼玉県で生まれたことが分かりました。妊娠が成立したのをさかのぼると昨年4月ごろですが、本格的な流行は夏以降です。今後更なる患者の報告が予想されることは、とても悲しい現実です。

 今回の風疹の流行の中心は、30~50代男性です。厚生労働省は昨年末、39歳から56歳の男性に3年間かけて、無料で免疫の有無を確認する抗体検査を行い、抗体が十分でない場合には、定期接種として風疹予防のワクチンを接種すると発表しました。

 2012年の風疹流行時、子どもたちを守るためには、この世代へのワクチン接種が最も効率の良い方法で、この戦略を子ども関連の学会が中心となって国にそれを要望しました。しかしながら、一部の自治体で抗体検査を行う以外は、その対策はほとんどされないまま、今回の流行を迎えてしまったのです。

 今できることは、この年齢層の人たちが医療機関を受診して風疹に対する免疫を確認し、抗体が十分でない場合はすぐにワクチン接種をすることです。また、その周りにいる人たちも、それを促すように積極的に働きかけることです。

 一方で、働き盛りの30~50歳代の男性が医療機関を受診するのはなかなか難しいことです。この機会をつくるためには、毎年行われる職員の検診などにこの検査を取り入れたり、何らかのイベントの際に検査を行ったりするような取り組みも重要です。このためには、企業の理解や国や地方自治体からの働きかけ、制度の整備などが必要です。医療関係以外の方々の理解がとても重要です。

 今できることを確実にやるしか、この風疹の流行を止めることはできません。国民一人一人の風疹とワクチンの重要性への理解が今、求められています。

<アピタル:医の手帳>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/