聞き手・伊藤和行
2012年から、沖縄の風俗業界で働く女性の調査を続けています。きっかけは、その2年前に県内で起きた女子中学生へのレイプ事件でした。加害者の少年3人は女子中学生と泡盛を飲み、公園のトイレで暴行しました。母子家庭だった女子中学生はその後、自殺しました。
そんな彼女にネット上では「沖縄では中学生が酒を飲む」「夜中に外出させる親が悪い」といった批判が出ました。背景には沖縄の貧困があるのに、実態は見ないふりをされている。親や恋人からの暴力、経済格差、未成年の違法労働など沖縄内部のひずみを直視しないといけないと考えました。
沖縄県が16年に発表した初めての独自調査で、子どもの貧困率は約3割にのぼり、全国の倍近い結果となりました。戦後、在日米軍基地は沖縄に集められ、47年前まで27年間、米国統治下に切り離され、福祉や経済振興が置き去りにされていた歴史を踏まえれば、沖縄だけの問題ではないと考えます。
貧困の影響を特に受けるのが子どもや女性です。調査で知り合ったある女子中学生は、虐待のあった家を出て、キャバクラやピンクサロンなどの風俗店で働いていました。若年出産した女性は、子育てのために時給が1500円から2千円程度の風俗店でも働きます。最低賃金が762円の沖縄ではコンビニやファミレスで働き子育てをするのは不可能です。観光で来る男性は「沖縄の風俗は安い」といいますが、どれほど沖縄の女性たちの実態を知っているでしょうか。
彼女たちは劣悪な環境を声高に…
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朝日新聞社会部