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(8日、フィギュアスケート・四大陸選手権女子フリー)

 16歳の紀平梨花(関大ク)が勝負にこだわった。「最後の最後まで点数を落としたくない。絶対にミスが許されないと思っていた」

 今季はフリーの構成に2本のトリプルアクセル(3回転半)ジャンプを入れてきた。しかし、「思った以上に試合のリンクに慣れていなかった。2本はちょっと難しいかな、と。安全に良い成績を残せるように1本にした」。冒頭で3回転半を決め、2本目は2回転半―3回転トーループに変更。冷静な判断で、点数をきっちり稼いだ。

 トラブル続きの大会だった。3日に米国入りし、ショートプログラム(SP)3日前の4日の練習から、左のスケート靴だけ新しいものに変えた。今までは最低1週間は履き慣らしてから試合に挑んできたが、革が柔らかくなって3回転半に影響が出ると考え、思い切って変えた。

 そして、5日に左手薬指を亜脱臼。ジャンプは胸の前で手を強く握りしめて体を締めるように跳ぶが、それが思うようにできなくなった。ただ、1年前にも同じ箇所をけがしていたといい、「切り替えることができた」と焦らなかった。

 大会期間中、浜田美栄コーチから何度も「真の王者になるための試練」と言われた。紀平は「前向きに乗り越えようと考えてきた」。SP5位から5・06点差を逆転しての四大陸初優勝で、シニアデビューした今季の国際大会は5戦5勝。次は3月20日開幕の世界選手権(さいたま市)での優勝が大きな目標だ。(大西史恭