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 プロ野球のDeNAには、投手陣にとって伝統の練習メニューがある。その名も「ブドウ畑」。マウンド上はクールでも、思わず表情がゆがみ、絶叫も飛び出す内容とは――。

 高さ1~1・5メートルほどのネットに、投手が入った。腰を落とした状態から、三浦投手コーチが転がす球を「イチ、ニッ、サン!」と声を出しながら、左に3歩で移動。両手で球をつかむと、今度は右へ。1人あたり15回を3セット行った。

 ネットにトンボやグラブが置かれると、選手はさらに体勢を低くしなければならない。「ハチ、ニッ、サン!」あたりから、選手は絶叫気味。最後は悲鳴に近い投手もいた。

 頭がネットにつけば三浦コーチから「当たってるぞ!」と厳しい声が飛ぶ。ドラフト1位入団で、この日初めて「ブドウ畑」に挑んだ上茶谷(東洋大)は「すごくしんどかったです。キャンプに来てから存在を知りました。股関節の周りと内転筋が、燃えてます」。

 「ブドウ畑」の由来や発案者は、よく分かっていない。ただネットの形が、ぶどう園に似ていることから名付けられたとみられる。三浦投手コーチは「投手は、守備での切り返しとかで、こういう動きがある。いいトレーニングだと思う」。名前ほど、おいしくも、かわいくもないメニューで選手を鍛え上げる。(井上翔太)