堺屋太一さんが近未来小説「平成三十年」を朝日新聞に連載したのは、1997年からの約1年間。平成9年の地点から約20年後の日本を予測し、警鐘を鳴らす狙いだった。団塊ジュニアの官僚を主人公に、20年後の暮らしや改革をはばむ政官界の姿を描いた。堺屋さんが晩年まで「平成三十年」を代表作の一つとして大事にされていたと聞いたとき、駆け出しの文化部記者として担当していた当時を恥じ入るばかりだった。

 担当する前に知っていたのは、「団塊の世代」の名付け親であることと、「サン(三)ピンイチ(一)スケ」(堺屋さん以外には渡部昇一さん、竹村健一さん、深田祐介さん。一をピンと読んだ)と称される売れっ子評論家だということくらい。その「売れっ子」という表現には、まだ教養主義的な伝統が残っていた状況のなかでは、とげが含まれていた。

 生意気な記者だったと思う。で…

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