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 各地の温泉街で廃業となった旅館が撤去も手入れもされずに残り、住民を悩ませるケースが目立っている。地元の自治体は国の空き家対策を活用できないか模索するが、建物の撤去や修繕には巨額の費用が伴い、財政難の自治体は手が出せないのが実情だ。

 石川県加賀市の山代温泉にある「松籟荘(しょうらいそう) 千味万彩」の建物。所有者が破産し、2012年に競売などの破産手続きが終わった。

 廃虚となった鉄骨鉄筋コンクリート造り11階建てが近くの市立山代小学校の通学路に残る。玄関の壁は今にもはがれ落ちそうで、同小に男児を通わせる女性(42)は「壊れないか不安。台風などで被害が出る可能性もあり、何とかしてほしい」と話す。

 山代温泉を含む同県南西部の加賀温泉郷にはこうした廃業旅館が少なくとも12軒あるという。15年施行の空き家特措法に基づき、自治体は建物を「特定空き家」に指定、所有者に撤去や修繕を指導・勧告・命令の順に行い、改善がなければ代執行で強制撤去し、費用を所有者に事後請求することもできる。

 だが、松籟荘の場合、所有する…

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