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 東京電力福島第一原発が立地し、原発事故で全町避難が続く福島県大熊町で、避難指示の一部が4月にも解除される見通しとなった。町は19日の町議会全員協議会で放射線量の低下など解除の条件が整いつつあると報告。今後、住民の意見を聴きながら、国と解除日程の協議に入る。事故から8年で、初めて第一原発立地自治体の避難指示が解除される。

 解除の対象は町の西側にある大川原地区(居住制限区域)と中屋敷地区(避難指示解除準備区域)。町面積の約4割を占め、町民の約4%、140世帯374人(1月末時点)が住民登録している。

 両地区では昨年4月から帰還に向けた準備宿泊が始まっており、7日時点で20世帯46人が生活している。大川原地区には特例として東電の社員寮が建設され、2016年夏以降、廃炉作業にあたる社員ら約700人が暮らす。

 19日の協議会では「線量は十分低減化している」とする町除染検証委員会の検討結果が報告され、3月にも住民説明会を開き、国と解除日程の協議に入ることが確認された。渡辺利綱町長は「線量の問題も含め、日常生活、税制上の問題、インフラ整備など、納得できるような形で町民に説明していきたい」と話した。町は大川原地区で新庁舎を建設中で、町民向けの災害公営住宅や店舗なども整備する。庁舎が開所する4月に合わせた避難指示解除を念頭に置いている。同地区で帰還住民約1千人、町外からの住民約2千人が居住する計画を描く。

 また、帰還困難区域の一部、JR大野駅を含む中心部を特定復興再生拠点として集中的に除染し、町民らの居住地とする事業が進んでいる。拠点は22年春までの避難指示解除を目指す。

 ただ、町内には廃炉作業が続く第一原発のほか、除染で出た汚染土を保管する中間貯蔵施設がある。町などが昨年実施した住民意向調査(速報版)では「戻りたい」が約1割、「戻らない」が約6割だった。

 大熊町は原発事故で全住民約1万1500人が県内外に避難。町は約100キロ離れた同県会津若松市に仮庁舎を設け、業務を続けてきた。第一原発が立地する双葉町は20年春ごろに町内の一部、22年春ごろに特定復興再生拠点で避難指示の解除を目指している。(三浦英之、石塚大樹)