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 徹底して無駄を省き、生産効率を高める製造業の管理手法が、医療現場でも広がりつつある。トヨタ自動車に代表される「カイゼン」の医療版で、事故の防止や医療の質の向上、患者、医師、職員の満足度アップ、働き方改革、経営の安定につなげる狙いがある。福岡県内の先進的な取り組みを紹介する。

 北九州市小倉北区の三萩野病院。ベッドそばのボードに手作りのテントウムシのピクトグラム(図記号)が貼られていた。入院患者が「転倒」の危険が高いと、ひと目で分かる工夫だ。

 患者の転倒・転落を減らそうと、診療、看護、事務の担当者でつくるワーキンググループ(WG)が2017年11月から改善活動に取り組んだ対策の一つ。

 それまでは、入院時のチェックシートをもとに危険度を3段階に分けていたが、危険度はカルテで確認するしかなく、情報を共有しづらかった。そこで、ボードにテントウムシを貼り付けることにした。

 ほかにも、転倒・転落の要因は体のバランスの崩れが大きいと考えられるとして、チェックシートに片足立ちの項目を追加。防止対策のフローチャートも作った。WGは病棟を月に1度見回り、車いす・歩行器の状態や、廊下の整理状況などを点検した。

 その結果、「中等度」以上の転倒・転落8件(17年12月からの3カ月)を、ゼロ(18年5月からの3カ月)にする目標を達成。看護師の鈴朋可さんは「車いすの空気圧やブレーキの利き具合の点検など、看護師では気付きにくい助言をもらった。横断的な組織の存在が大きい」と振り返る。

 この取り組みは昨年11月、北九州市戸畑区のウェルとばたで開かれた「医療の改善活動」全国大会で発表され、「優秀演題」の一つとして表彰された。

 主催は、現在134の法人・病院が加盟する一般社団法人「医療のTQM(総合的品質管理)推進協議会」(大阪府)。大会の事務局を務めた北九州市八幡東区の製鉄記念八幡病院は、新日鉄がかつて運営しており、1972年に企業の品質管理をいち早く院内に導入した。

 最近では、集中治療室(ICU)の看護師のアイデアで、脳血栓の治療開始までに必要な物品を、複数の場所から一つのボックスにまとめて保管するようにし、血栓を取り除く治療に素早く着手できるようにした。看護師の坂田和美さんは「医療は日進月歩で、患者のニーズも変わる。常に何らかの改善すべき点がある」と話す。

看護現場の働き方改革にも

 昨年11月、東京都千代田区の…

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