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 中国で大人気となったネット宮廷ドラマのテレビ放送が次々と中止になっている。ドラマでは、きらびやかな宮廷生活や生々しい権力闘争が描かれていた。共産党系紙が批判した直後の放送中止とあって、ネット上では様々な意見や臆測が飛び交っている。

 ドラマは「延禧攻略」。清朝時代、北京・紫禁城の後宮「延禧宮」を舞台に、様々な苦難を乗り越え、乾隆帝の妃(きさき)に上りつめた女官が主人公だ。2018年にインターネットドラマとして公開されると、豪華なセットや衣装、また裏切りや陰謀など濃密な人間模様が話題となり、動画の年間再生回数が182億回で中国トップを記録した。東南アジアでも人気を博し、日本では今月から放送が予定されている。

 しかし1月、共産党系の北京日報が中国版ツイッター・微博(ウェイボー)の公式アカウントでドラマを名指しで批判。「華美で享楽的な空気をまき散らし、勤労・倹約の美徳に反している」「嫉妬や足の引っ張り合いばかり描いた宮廷闘争は我々が提唱する社会主義の核心的価値観と相いれず、社会に悪影響を与える」と指摘した。

 その翌日からドラマの放送を予定していた浙江省や山東省などのテレビ局が急きょ中止し、番組を差し替えた。別の宮廷ドラマの放送も中止になった。テレビ局側は理由を明らかにしていない。

 ネット上では「まるで宮廷ドラマ発禁令だ」「大衆ドラマに真面目に反応しすぎだ」と戸惑いが広がっている。一方で「若い世代への影響は大きく、放送はやめるべきだ」との意見も出ている。(上海=宮嶋加菜子)