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 昨年からの風疹の流行で、先天性風疹症候群(CRS)の赤ちゃんが埼玉県内で報告された。風疹の流行はワクチンで防げる。CRSの子を持つ親たちの「風疹をなくそうの会」は、前回流行した2013年8月からワクチン接種を訴えてきた。可児佳代共同代表(65)に聞いた。

 ――今回のCRSの報告をどう受け止めましたか

 まず、生まれてきてくれたことに、おめでとうと言わせてください。CRSの赤ちゃんは尿や唾液(だえき)にウイルスが混じるので、別室に隔離されます。ウイルスは退院後も短くて3カ月、長いと1年以上排出されることがあります。お母さんも家族も、おめでとうと言ってもらえず、どうしてこんなことになったのかとの思いが募ります。お母さんに、ひとりではないよと伝えたいです。

 ――ワクチン接種を呼びかけていますね

 私の娘は生きていたら今36歳。私が妊娠したのは、やっと女子中学生にワクチン接種が始まったころでした。看護師さんから「風疹はワクチンで防げる」と聞き、ワクチン接種をしていたら赤ちゃんを守ってあげられたのにと、後悔しかありませんでした。

 今回、CRSの報告があったと聞き、あの時の気持ちがよみがえりました。私たちは13年8月からワクチンをうって欲しいと呼びかけ、今回のお母さんはうっていたけれど抗体ができていなかったようで、風疹の流行で同じことが起きた。それが悲しくて、悔しくて、涙があふれ、震えが止まりませんでした。

 ――なぜ、CRSは繰り返されるのでしょう

 風疹は流行すると一時的に関心が高まるが、長続きしないことを繰り返してきました。国がようやく今年から、一部の男性を対象にワクチンの無料接種を決めました。自治体が通知を出し、健康診断に組み込む企業もあるようです。それでも効果がないと感じたら、すぐに新たな対策を打つことを期待しています。(聞き手・松浦新

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 可児さんの長女妙(たえ)子(こ)さんは1982年、CRSで目、耳、心臓に障害を持って生まれた。妙子さんは度重なる手術に耐え、18歳まで生きた。可児さんは2002年にホームページ「たえこのへや」(http://www5d.biglobe.ne.jp/~kani1120/別ウインドウで開きます)を開き、12年からの風疹の大流行を受け、13年8月にCRSの子を持つ親たちで作る「風疹をなくそうの会」(https://stopfuushin.jimdo.com/別ウインドウで開きます)を設立、風疹をなくすためワクチン接種を呼びかけている。

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