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 インドネシアのスラウェシ島中部で昨年9月末に起きた地震・津波で、同政府による復興計画づくりに協力している日本の国際協力機構(JICA)は12日、2011年の東日本大震災の被災地から自治体職員を招き、教訓を共有するセミナーを首都ジャカルタで開いた。

 スラウェシの復興では、津波や液状化の被害地域からの住民らの移転が課題になっている。セミナーでの説明によると、東日本大震災では住民の同意が不十分なまま移転計画を進めた結果、数年後に一からやり直すケースがあったという。

 登壇した宮城県東松島市職員の川口貴史さんは、同市の沿岸部からの集団移転で市民の同意率が8割を超えたことについて触れ、「被災直後からの住民との対話が鍵だった」と説明した。岩手県釜石市の金野尚史さんは、震災から8年たった今も復興途上で「近道できるドラえもんのような道具はない」とし、被災者の意向調査などで自治体は長期的な対応が必要だとした。

 セミナーには、復興計画づくりを担うインドネシア国家開発企画庁の職員や大学生ら約50人が参加し、熱心にメモを取っていた。参加した同庁専門官のディオン・カイラワンさん(25)は、「(東日本の復興で進められた)次の災害に備えた地域づくりを目指す『ビルド・バック・ベター』(より良い復興)の考えを学べた」。インドネシア大で公共政策を学ぶデア・リスキーさん(23)は取材に「日インドネシア両国で社会背景が違っても、復興では地域のコミュニティーづくりが最も大事だと思った」と話した。

 JICAは、スラウェシの被災地でも11日に同様のセミナーを開いた。(ジャカルタ=野上英文