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 日韓議員連盟の会長を務める額賀福志郎・元財務相と韓国の李洛淵(イナギョン)首相とのソウルでの会談に同席した韓日議連の姜昌一(カンチャンイル)会長が13日、朝日新聞記者と会見した。日韓関係がお互いに非難を繰り返す悪循環に陥っているとし、冷却期間が必要だとの見方を示した。

 姜氏によれば、額賀氏は13日の李氏らとの会談で、元徴用工らによる損害賠償判決への善処を求めた。李氏は、元徴用工らの訴訟が続いており、司法判断に影響を与えるため、韓国政府が対応策を取るのは難しいとの考えを伝えたという。

 日本政府は日韓請求権協定に基づく協議を求めている。姜氏は「徴用工と日本企業の問題で、両政府による協議対象ではない」と説明。李氏も同じ考えを額賀氏に伝えたという。李氏と姜氏は、日本企業が訴訟に参加した以上、賠償判決に従う必要があるとの考えも額賀氏に伝えたという。

 額賀氏は、天皇に元慰安婦らへの謝罪を求めた文喜相(ムンヒサン)国会議長の発言にも懸念を示したが、李氏は立法府の発言だとして詳細な言及は避けたという。姜氏は「日本人の感情は理解するが、文氏の発言は天皇に元慰安婦を慰問してほしいという趣旨だった」と説明。「天皇は日本の象徴。韓国人は戦争の主犯が天皇だと思っている」と語った。

 姜氏は12日夜にも額賀氏と会談し、「海上自衛隊哨戒機が低空飛行をしている」などと反発する韓国内の雰囲気も伝えた。額賀氏は実務者による解決が望ましいとの考えを述べたという。姜氏は「韓日の政治家がお互いに刺激的な発言を繰り返すのは良くない」と話したという。

 一方で姜氏は「日本を批判すれば、韓国で政治家の人気が上がる。韓国を批判する日本の政治家の人気も上がる。双方は誘惑にかられてはいけない」と主張。韓国では3月1日、1919年に朝鮮半島で起きた独立運動100周年を迎えることもあり「韓国の対日世論は悪化している。日本が批判を繰り返すほど、李首相や私のような知日派は動きが取れなくなる」と訴えた。

 姜氏によれば、額賀氏は2~3週間前、「何とか解決策を模索したい」として訪韓の意思を伝えてきたという。姜氏は「お互いに会って話をすることは重要だ」と主張。6月に大阪である20カ国・地域(G20)首脳会議を利用して日韓首脳会談を開き関係改善ができるよう、今は冷却期間を置くべきだとの考えを示した。(ソウル=牧野愛博)