悲惨な児童虐待が後を絶たない。そうした家庭では、配偶者などパートナーに対する暴力(DV)が同時に起きている場合も多い。負の連鎖を生み、逃げ場を失う子どもたち。当事者の話を聞いた。
「母は頼れず、父の機嫌を損ねないように生きた」。東京都のエッセー漫画家、やぶうちゆうさん(32)は子ども時代をそう話す。千葉県野田市で1月、小4の女児(10)が自宅で死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件など相次ぐ虐待報道を受け、読者の困りごとや疑問を募って取材する朝日新聞「#ニュース4U」取材班に経験を寄せた。
母に馬乗り、殴り続けた父
「俺がいないと、お前は何もできない」。物心がついた時から父は母を見下した言葉を放ち、ささいなことで母の頭をたたいていたという。「口で言っても聞かんやつは、殴ってでも聞かせるんや」。小学6年の夏、父が母に馬乗りになり、顔を何度も殴った。「やめて」と叫んでも、自分の力では父を止められない。泣きながら見続けた。
母は当初は抵抗していたが、次第に逃げなくなった。暴言や暴力を受け続けるうち、「無気力な状態に追いやられているように見えた」。
やぶうちさんと2人の妹も標的に。「母か、私か、妹か。父の機嫌次第で誰がたたかれるかが決まる毎日だった」。「お父さんの言うことを聞いておけば良いんだ」とよく言われ、精神的に追い込まれた。
夫は爆発した後、優しくなり、また気分次第で爆発……。DVの背景には、加害者からの「アメとムチ」の支配があると言います。#ニュース4U取材班が体験談を聞きました。
「口外するな」と圧力、相談難しく
「誰が悪いんだ?」と父に聞…
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