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 沖縄県民投票が14日、告示された。政府が進める米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画での埋め立てに「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択で民意を示す。24日に投開票されるが、政府は結果にかかわらず、移設工事を進める考えだ。

 玉城デニー知事は14日、記者団に「できるだけ多くの県民が、この貴重な機会に自身の考えをしっかり表明してもらいたい」と述べた。街頭やテレビで投票を呼びかける考えも示した。

 沖縄では2014年の知事選で、辺野古移設反対を訴えた翁長雄志氏が当選。翁長氏の急逝を受けて実施された18年9月の知事選でも、同じく辺野古移設反対を掲げた玉城氏が、移設を推進する安倍政権が推す候補らに大差をつけ、過去最多の39万6632票を得て当選した。

 だが安倍政権は、それでも工事を進めた。これに対し「ワンイシュー(一つの論点)」で民意を示そうと、若者らの署名を受けて県議会で条例が成立し、県民投票が実現した。

 都道府県レベルの住民投票は、米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しをテーマにした1996年の沖縄県民投票以来。投票率は59・53%、結果は賛成が89・09%で、票数が当日有権者数の53・04%を占めた。その強い民意に、橋本龍太郎首相が2日後に大田昌秀知事(いずれも当時)と会談するなど配慮を見せた。

 今回の県民投票では、最多の選択肢が投票資格者総数の4分の1に達すれば、知事は結果を尊重し、首相と米大統領に通知する。反対が投票資格者総数の過半数に及べば、相当強い民意となり、それに満たない場合は、知事選での玉城氏の得票数が一つの目安になる。

 これに対し、菅義偉官房長官は14日の会見で、県民投票について「政府としてコメントは控えたい」と前置きしながら、普天間飛行場の移設の必要性を繰り返した。

 そもそも政府が昨年末に土砂投入を強行したのは、県民投票の実施を前に既成事実化を進める狙いが大きかった。投票に法的拘束力はないが、「反対」多数の結果になれば、昨年の知事選に続き、工事を強行してきた政府に対する厳しい審判ともなる。政府に工事の中止や見直しの考えはないだけに、投票後も工事を強行する姿勢が新たな「民意無視」の批判を招くのは確実だ。4月の衆院沖縄3区補選や夏の参院選にも影響は避けられない。

 菅義偉官房長官は14日午前の会見で、この日告示された沖縄県民投票について、「地方公共団体が条例に基づいて行うもので政府としてコメントは差し控える」と述べたうえで、「原点は普天間飛行場の危険除去だ」と繰り返して辺野古への移設計画を進める方針に変わりはないとした。

 菅氏は「普天間飛行場の危険除去、辺野古移設に関する政府の考え方や、沖縄の負担軽減を目に見える形で実現する取り組みについて丁寧に説明し、地元のご理解、ご協力を得られるように粘り強く取り組んでいく」と話した。