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 愛知県内に拠点を置く職人らが、美濃和紙を素材にした生地で有松絞りの羊毛布団をつくった。和テイストで蒸れにくく、通気性に優れた布団で、洗濯もできる。海外や高級ホテルへの売り込みを目指している。

 手がけたのは、繊維製品を手がける丸安ニット(名古屋市)の伊藤安則社長(51)、羊毛繊維を専門に扱う長尾商事(同市)の長尾和彦社長(62)、有松絞り職人の藤井祥二さん(30)の3人。

 丸安ニットは、美濃和紙から糸をより、靴下やネクタイをつくってきた。その技術を生かそうと、伊藤さんが知り合いの藤井さんに相談。2018年夏、美濃和紙を素材にした真っ白な生地に有松絞りを施してもらったところ、納得のいく出来栄えだったという。その後、伊藤さんは釣り仲間の長尾さんと雑談し、日本では減ってきている羊毛布団をつくる構想が持ち上がった。

 すぐに掛け布団と枕を試作した。吸放湿性に優れた羊毛は、就寝中に汗をかいてもじめじめしない。軽くて肌触りの良い美濃和紙の特徴も生かされ、伊藤さんは「これで寝たら最高に気持ちいいし、見た目も粋でしょ」。商品化を決めた。

 その年の秋、台湾で開かれた繊維業者の展示会に出展。3月6日からは韓国の展示会にも出す予定だ。枕は約2万円、掛け布団は5万~10万円ほどの価格を想定し、高級ホテルにも売り込む。日本の繊維産業の製造品出荷額は、16年は2・8兆円で、この20年で6割超減った。長尾さんは「繊維業界で若い人が前向きに事業に取り組めるようにしたい。そのためにも、新たな市場を開拓する必要があると思う」と話す。(細見るい)