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 同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は違憲だとして、同性カップル13組が14日、国を相手に1人あたり100万円の賠償を求め、札幌、東京、名古屋、大阪の4地裁に一斉提訴した。憲法が保障する「婚姻の自由」を侵害され、精神的苦痛を受けたと主張している。同性婚の是非を正面から問う国内の訴訟は初めてとみられる。

 原告は計26人で、8都道府県の20~50代。日本人女性をパートナーに持つドイツ人や米国人も含まれる。

 憲法24条は「婚姻は両性の合意のみに基いて成立」すると定めており、政府は「同性婚は想定されていない」という立場だ。一方、原告側は、個人の自由が制約された明治憲法下の婚姻の否定の上に成り立った条文で、「婚姻は、第三者の干渉を排除し、両当事者の自由で平等な合意のみで成立する」と主張する。

 同性婚が認められないことで生じる不利益としては、法定相続人や手術の同意者になれず、共同親権もないと指摘。「法の下の平等」を定めた憲法14条違反も訴えている。

 国家賠償法に基づく賠償請求の根拠には、性的少数者への理解が国内外で深まっている中、同性婚を認める法整備を長年怠ったという国会の「立法不作為」をあげた。法務省は「訴状を受け取っておらず、コメントできない」とした。

 東京訴訟弁護団の寺原真希子弁護士は提訴後の会見で「婚姻の自由とは、いつ誰と結婚するかを自分で決められることであり、相手が同性でも異性でも変わらない」と指摘。「裁判で真に求めるのはお金ではなく、現状は憲法違反だという明確な判断だ」と強調した。(北沢拓也)

各地で記者会見

 4地裁に提訴した原告13組26人のうち10組18人がこの日、各地で記者会見にのぞんだ。

 東京地裁に提訴した佐藤郁夫さん(59)は、1人で会見に参加した。東京都内で一緒に暮らす男性パートナーは、家族や職場にゲイであることを明らかにしていないからだ。冒頭、佐藤さんはパートナーのメッセージを読み上げた。「本当はいつも通り並んでいたい。この裁判で勝って、最後には顔を出して、笑って終わりたい」。最後は声が震えた。佐藤さんは「今日、自分が1人でいること。それが社会のリアルな現状」と言う。

 埼玉県川越市の相場謙治さん(40)は会見中、涙をぬぐった。「みんなの熱い思いや自分のつらい経験が思い出された」。中学時代、ゲイであることでいじめを受けた。職場でも差別的言動を見聞きすることがあり、「心がえぐり取られそうだった」と振り返る。「この訴訟を通じ、全国の性的少数者の苦難や困難を知ってほしい」。パートナーの古積健さん(45)は「婚姻を選択できないことは『あなた方は劣っている』と言われているように思える。大切な相手を思う気持ちは異性カップルと変わらない。(訴訟は)尊厳を取り戻す長い旅だ」と話した。

 「一言で言うとアンフェア。私たちは不平等な扱いを受けています」。横浜市の会社員中島愛さん(40)は会見で、言葉に力を込めた。ドイツ出身のパートナー、バウマン・クリスティナさん(32)とは2011年、仕事で駐在していたベルリンで出会った。2年後、2人で日本に転居し、16年、ドイツでパートナーシップを登録。17年にドイツで同性婚が認められたため、昨年結婚した。

 今年1月、区役所にドイツでの法律婚を報告する届け出をしたが、「女性同士を当事者とする婚姻届は不適法」とされ、婚姻届は不受理となった。バウマンさんは今は留学生ビザで滞在しているが、配偶者としての在留資格はなく、不安を抱える。「専門学校を卒業する3年後、就職先が見つからなければ、不法滞在になってしまう」

 外資系の会社に勤める中島さんは、社内の制度では結婚祝い金も出て、家族向けイベントにパートナーとしてバウマンさんを同伴できる。だが、公的な制度の壁は厚く、学生のバウマンさんを税制や健康保険の扶養家族にすることができない。今は、将来の安定した生活を考えることができないが、「同性婚が認められれば、自分名義のマンションを彼女との共有にしたい」と願う。「社会で不当な扱いを受けている他の人たちのためにも、日本の認識を変える流れの一歩になることを望んでいます」

 西日本に住む3組の同性カップ…

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