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 日本の未来を構想するためのモデルは富山だ――。財政学者の井手英策・慶応大教授は昨年発表した『富山は日本のスウェーデン』(集英社新書)で、3世代同居率や女性の正社員比率の高さに注目し、保守的とされる富山県の家族や地域のあり方を、リベラルを自任する側が学ぶべきだ、と主張して波紋を呼んだ。反発は「予想していた」と語る井手さんは、2017年の衆院選で民進党のブレーンとして政策作りに携わり、「オール・フォー・オール」を提唱したことで知られる。なぜ今、富山をスウェーデンと重ねるべきなのか。話は目指すべき社会像から政治の対立軸までに及んだ。

■いで・えいさく 1972年生まれ。専門は財政社会学。著書に『幸福の増税論』『18歳からの格差論』など。旧民進党の「尊厳ある生活保障総合調査会」アドバイザーも務めた。

 ――人口では37位の富山について、勤労者世帯の実収入全国4位、女性の正社員比率1位、生活保護・被保護率最下位などの数字から、その社会経済的な循環が北欧をはじめとした社会民主主義の理想の姿に近いと主張しました。富山への注目のきっかけは?

 「もう10年以上前になります。富山の駅前で信号待ちをしていました。ちょうど通勤時間帯だったんですが、仕事に向かう女性が多くて驚きました。富山と言えば、国会議員はすべて自民党、いわゆる保守王国ですよね。なのに、調べてみると、リベラルな社会をイメージさせるデータが次々と浮かび上がってきたのです」

 ――リベラルなデータですか? 「リベラル」とはどんな意味で使ってますか。

 「スウェーデンなどの北欧をイメージさせる社会です。貧富の格差が小さく、経済が底堅く、所得も高い。男女がともに働き、社会全体の同質性も高い。1人当たりの県民所得や世帯の実収入の高さ、女性の就業率や正社員率の高さがそのイメージに近かった。生活保護の利用率が全国で一番低いことも重要です。『保守的』な富山から『北欧的』なデータが見つかった。その背景を探れば、日本が北欧型の社会に近づくためのヒントが見つかると考えたんです」

 ――スウェーデンは高租税負担…

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