安倍晋三首相らが出席し、衆院予算委員会で集中審議が開かれました。統計不正や、トランプ米大統領へのノーベル平和賞推薦問題などをめぐり、論戦が交わされました。野党の追及に対し、首相らの説明は。タイムラインで詳報しました。

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17:05

予算委の集中審議終わる 統計不正の解明は進まず

 「統計問題」などをテーマにした衆院予算委員会の集中審議は午後5時5分、質疑を終えた。

 昨年1月の毎月勤労統計の調査手法の変更をめぐり、野党側は数値を良くみせるための「首相官邸の関与」があったのではないかと追及したのに対し、政府側はそろって否定。15年に調査手法に「問題意識」を厚労省側に伝えていた当時の中江元哉首相秘書官は、安倍晋三首相からの指示はなかったと説明した。

 厚労省が15年間にわたり東京都の大規模事業所で本来やるべき全数調査をしておらず、昨年1月から調査数値を全数調査に近づけるためひそかにデータ補正を行っていた問題で、当時の厚労省の責任者が答弁に立ったが、「分からない」などと連発。実態の解明は進まなかった。

寸評=斉藤太郎記者

数字はウソをつきません…ってホント?

 「数字はウソをつきません」。最近の国会論戦をみていると、この言葉が頭の中をぐるぐる回ります。

 私はこのフレーズを100回以上、聞いてきました。2年前に番記者をしていた元国土交通相、前原誠司さんの決まり文句だったからです。前原さんは統計データを集め、講演などで民主党政権時代の労働政策や港湾行政を誇っていました。

 いまの首相は、民主党政権を「悪夢」の一言で切り捨ててしまうような安倍晋三さんです。数字を駆使して「そんなに悪い政権ではなかったのだよ」と聴衆に伝えたかったのでしょう。私は「数字はウソをつかない」はうのみにしつつ、「どの調査データを組み合わせるかによって見える風景は違うだろうな……」などと斜に構えながら前原さんの話を聞いていました。

 ところが最近は「数字はウソをつくかもしれない」と思えてきます。昨年は財務省の公文書改ざんが発覚し、厚労省のずさんな労働実態調査により裁量労働制に関わる法改正の撤回も起きました。そして今、国の基幹統計の不正が明るみに出てきて、統計の調査手法の変更にまで「意図があったのではないか」と野党が疑問を投げかけています。

 私は政治家の演説や役人の釈明は疑いを持って見るように心がけていますが、行政が出す数字は信頼して記事を書いてきました。経済の先行きを予測する学者やエコノミストたちも首をかしげているのではないでしょうか。

 統計不正の問題は、論評や判断の土台を崩しかねない深刻な事態なのです。

16:20

歴代の統計責任者「承知してない」 野党は別の厚労省関係者らの招致要求

 毎月勤労統計では本来、従業員500人以上の大規模な事業所では全数調査を行うはずだった。ところが、厚生労働省の担当者は2004年から東京都分について、3分の1を抜き出す抽出調査をする不正な方法をとっていた。

 この点を取り上げた高橋千鶴子氏(共産)は、統計を扱う部署の責任者だった歴代の厚労省政策統括官2人に「どこまで分かっていたのか」とただした。

 大西康之・前政策統括官は「記憶に寄れば、(昨年)12月13日に担当室長から説明を受けて初めて知った」と答弁。不正が行われるようになった経緯については「承知していない」としか答えなかった。

 続いて大西氏の前任で、すでに退職している酒光一章・元政策統括官も「どうしてそういうことを始めたのかについては承知していない」と回答。統計不正が起きた背景といった基本的な事実関係の解明が進んでいないことを印象づけた。

 野党は不正解明のため、別の厚労省の関係者らを国会招致するように求めている。

15:50

自民・石崎氏「総理の意思でないとはっきり言って」 統計手法変更

 中江元哉・元首相秘書官(現・財務省関税局長)は、2015年3月に毎月勤労統計の調査手法への「問題意識」を厚生労働省幹部に伝えた意図を問われ、「政府の都合の良いデータが出るよう、統計上不適切な方法をとらせる意図に基づくものではまったくない」と述べた。安倍晋三首相の関与については「総理の指示ではないし、厚労省から説明を聞いたのも総理の指示ではない」と全否定した。

 中江氏は「私としては公表していた数字が過去3年さかのぼって大幅に変わることに対し、当然の反応をしたつもりだ」とも語った。自民党の質問者、石崎徹氏から「官邸が指示したという陰謀論を国民が持つのは良くない。総理の意思の基づくものではないとはっきり言ってもらいたい」と求められ、答えた。

 18年1月に中規模事業所の抽出調査の方法が2~3年ごとの「総入れ替え」から毎年の「部分入れ替え」へと調査手法が変更され、過去のデータを実勢に合わせる改訂も行わなくなった。野党側はこの手法変更により、賃金指数の下ぶれを防ごうとしたのではないかとみて追及している。

15:00

統計手法の「問題意識」は「個人の考えを伝えた」 中江・元首相秘書官

 毎月勤労統計の調査手法への「問題意識」を2015年3月に厚生労働省幹部に伝えた中江元哉・元首相秘書官(現・財務省関税局長)は、安倍晋三首相らの指示を重ねて否定し、「秘書官である私個人の考えということで話した」と述べた。立憲民主党の逢坂誠二氏への答弁。

 中江氏は「『問題意識』とは何か」と問われ、「経済の実態を適切にタイムリーに表すための改善の可能性について考えるべきではないかという問題意識を持った」と説明。「それをご説明に来られた厚生労働省の方に、私個人の考えとしてお話しした」と語った。

 厚労省は中江氏との面会後、統計見直しに関する検討会を設置し議論を始めた。ただ、厚労省の担当者は「従前から改善策を検討していた」と答弁。逢坂氏は検討会設置に関する資料の提出を求めた。

14:40

改ざん、モリカケ、統計不正…「いまが悪夢」 立憲・逢坂氏

 「最近、総理は『悪夢』という言葉を使っている。総理にとって2009年の政権交代は悪夢だったと思う。私は、いまの悪夢の話をしたい」。逢坂誠二氏(立憲)はそう切り出した。

 「いまの悪夢」の実例として、財務省による公文書の改ざん、森友学園への国有地売却、加計学園の獣医学部新設、そして今回の統計不正の問題を挙げ、「国会のたびに悪夢が生まれてくる。どうなっているんだ」と指摘した逢坂氏。

 「まず1点訂正させていただきたい」。安倍晋三首相はすかさず反論した。「私は09年に自民党が野党に転落した時のことを悪夢と言っているんじゃない。悪夢はその後の民主党政権だ。正直言って。就職率はどうだったのか。就職できなかった人にとって悪夢ではないか」

 首相が10日の党大会で行った演説で民主党政権時代を「悪夢」と呼んだことに野党が反発し、「悪夢」論争が後を引いている。

14:30

首相「仕事が増えたこと批判されるのは容認できない」

 「もしこの国の総理大臣が『良い数字はもういい。どこかに悪い数字はないのか。そこで困っている国民はいないか、そこに社会の矛盾は生まれていないか』という総理だったら、そもそもこんな数値論争は起きていない」

 統計不正問題をめぐり、立憲民主党会派の小川淳也氏は厳しい口調で、こう安倍晋三首相を問い詰めた。委員室では野党議員から拍手が起き、自民議員は苦虫をかみつぶしたような顔が目立った。

 首相は「我々の経済政策ですべての方が満足しているとはさらさら思っていない。光が当たっていない方々に光を当てるのが政治の使命だ」として、高等教育無償化や低年金者対策など政府の取り組みを紹介。「仕事が増えた(有効求人倍率が上がった)ことを批判されるのは容認できない」と反論した。統計問題については「GDP(にかかわる)統計の基準改訂は最新の国際基準への対応と承知している。かさ上げとの指摘は当たらない」と重ねて強調した。

13:50

首相「米国に敬意払うべきだ」ノーベル賞質問に

 午後の質問者のトップバッター…

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