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 認知症の人や家族、地域の人たちが気軽に参加し、悩みや助言、情報交換などをする認知症カフェ。愛知県日進市では、大手コーヒーチェーン「スターバックスコーヒー」(スタバ)が月1回、認知症カフェに早変わりする。市と協力して開く「N―カフェ」で、県内の店舗では初めての取り組みだという。

 昨年末、スタバ日進香久山店(香久山4丁目)には、認知症の家族を介護している人や経験のある人のほか、地元自治会の役員やボランティアら20人余りが集まってきた。

 この日のN―カフェは、店舗の一番奥のスペースを陣取って始まった。各自が好きな飲み物を購入し、自己紹介を済ませた後、フリートークで介護の経験談などを語り合った。

 知人に聞いて初めて参加した佐藤いそさん(76)は、81歳の夫が軽度の認知症だ。最近、デイサービスに通うようになったが、それまでは口げんかが絶えなかったという。佐藤さんはすぐに参加者と打ち解け、会話も弾んだ。「夫の症状はまだまだ序の口だとわかり、気持ちが少し楽になりました。相談できる場が欲しかったのでうれしい。次は夫も連れてきたい」

 スタバでのN―カフェは昨年10月にスタートした。昨夏ごろ、スタバの常連で日進市本郷町でグループホームなどを運営する大川彰治さんが、店長から「地域のために何かしたい」と相談を受けた。

 高齢化が進む住宅街に立地することから認知症カフェを提案。大川さんは市との橋渡し役となり、実現にこぎ着けた。

 N―カフェのNは「日進」「認知症」「ナチュラル」「和やか」などの頭文字からとった。

 市の担当者も認知症の人たちの外出機会を増やし、地域住民に認知症への理解を深めてもらうには、どうしたらいいかと考えていたところだったという。

 大川さんは「認知症を認め合うためには、気軽に集える居場所が必要だと感じていた。スタバならくつろいだ雰囲気の中で、みんなが同じ目線で会話を楽しむことができる」と喜ぶ。

 スタバによると、同様の取り組みは2016年7月から東京都町田市で始まっていて、日進市が全国で2番目になるという。

 全国どの店舗も利用者は若い世代が中心で、シニア層を呼び込むことが課題になっている。名古屋オフィスで営業担当マネジャーを務める前田慎一さんは「地域の人とつながる場を提供できるのはうれしい。幅広い年齢層に利用してもらうことができ、ニーズがあれば他の店舗でも協力していきたい」と意欲を示す。

 同店でのN―カフェは、毎月第2火曜日の午前10時~正午で、事前の申し込みは不要。飲食代のみで参加できる。問い合わせは、市地域福祉課(0561・73・1484 平日のみ)へ。

 

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(松永佳伸)