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 高校野球の選抜大会の開幕まで1カ月余り。あと1勝に迫る「府勢の全国大会の春夏通算200勝」に期待がかかる。挑むのは龍谷大平安(下京区)と福知山成美(福知山市)。龍谷大平安は昨夏、チームの甲子園100勝を達成。福知山成美は1999年、府勢の夏の全国大会100勝目をあげた。両校では、この節目の勝利を飾った先輩が大舞台の経験を伝えている。

龍谷大平安 チーム100勝・松田君

 龍谷大平安の前主将で3年生の松田憲之朗(けんしろう)君は引退後も唯一、練習に参加している。プレッシャーをはねのけ、昨夏の甲子園初戦で100勝を達成。もう一つ勝って16強まで進んだ。後輩には「甲子園の緊張も楽しめるように」と語っている。

 松田君は15日、原田英彦監督(58)のノックを受ける遊撃手の動きを見ていた。羽切陸(はきりだいち)君に「来る球のコースに応じてベースを踏む足を変えて。次の送球が投げやすくなるから」と話しかけた。監督から注意が飛ぶと、身ぶり手ぶりを交えてこつを教えた。

 「内野でみんなに指示を出さないといけないポジション。僕もよく怒られたから」と松田君。羽切君は「頭に入れて確実なプレーをしたい」と話した。

 グラウンドに顔を出すのは週3、4回。練習の合間に、羽切君らに「チームの甲子園100勝がかかった昨夏の1回戦は緊張でガチガチだった。節目の試合は緊張するけれど、それを楽しんでのびのびプレーしてほしい」と伝えている。

 主将の水谷祥平君には、新チーム結成のときにノートを託した。自らが日々の練習目標を考え、書き続けてきたものだ。悩みながら考えたメニューを見直してもらい、2季連続の甲子園に出場できるよう役立ててほしいと願った。

 水谷君はノートをかばんに入れて持ち歩き、選手間で翌日の練習目標を話し合うときに参考にしている。「声や気持ちでチームを引っ張っているが、松田さんのようにプレーでも引っ張れる主将になりたい」

 松田君は春に法政大に進学し、東京六大学野球に挑む。「一生懸命な後輩を見ていると、『自分もがんばろう』と刺激になる」。グラウンドでトレーニングを続けながら、後輩の動きを見守るつもりだ。(川村貴大)

福知山成美 府勢夏100勝・大志万さん

 福知山成美のグラウンドに10日、99年夏の甲子園で活躍したOBがやって来た。捕手だった大志万(おおしまん)修一さん(36)=奈良県大和高田市=だ。井本自宣(さだよし)監督(45)が「甲子園に向けてどんな意識で練習すべきか伝えてほしい」と頼んだ。

 甲子園に出たのは前身の福知山商業の時代。チームは春夏通じて初出場で、大志万さんは2年生だった。1回戦で盛岡中央(岩手)に6―2で勝ち、これが府勢の夏100勝目となった。気負わずふだん通りのプレーができた。

 後輩にも「プレッシャーはあるだろうが、のびのびと楽しくやってほしい」と願う。練習では捕手7人を集め、捕球時に後ろにそらさない低い構えを教えた。バント処理のこつについても助言した。うまくできると「ナイス」「ええやん!」。笑って声をかけると動きが軽やかになった。

 大志万さんは社会人野球でコーチを務めている。捕手の原陽太(ひなた)君は、小刻みにステップするとバント処理で送球動作に入りやすいと助言された。「わかりやすい指導で、処理のスピードが上がった。また来てほしい」と喜んだ。

 この日、2009年春の甲子園で遊撃手だった元主将の杉本聖和(まさかず)さん(27)=奈良県橿原市=と、エースだった長岡宏介さん(27)=福知山市=も訪れた。1回戦の国士舘(東京)と延長十五回まで戦い、5―2で競り勝った。長岡さんは13イニング181球の粘投をみせた。

 長岡さんは「全国で勝つ喜びを知ってほしい」と語った。投手陣のフォームを見て、「ボールに角度をつけるために腰を回して」などと伝えた。杉本さんは内野手を集めた。「土が硬くて打球が跳ねやすい」「俊足の選手が多いから捕ってから素早く投げて」。甲子園での守り方を伝授した。(高橋豪)

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