[PR]

(17日、カーリング・日本選手権女子決勝)

 会場が大きくどよめいたのは、3―3の同点で迎えた第5エンドだった。中部電力の北沢育恵が放った最終投が、ハウス内にあったロコ・ソラーレの二つのストーンを押し出し、一気に4得点。ロコ・ソラーレが流れを完全に手放した瞬間でもあった。

 中部電力に対し、初戦から数えて今大会3戦3敗。たくさんのミスを犯したことを差し引いても、リードの吉田夕梨花は「女子のレベルが上がっていることを肌で感じた」と振り返る。

 中部電力には今季、平昌五輪の男子代表だった両角友佑がコーチとして加わった。以前とは見違える多彩なショットやストーンの置き方に、ロコ・ソラーレを率いるスキップ藤沢五月は「ここまで変わるのか、と。その急成長に合わせた戦いができなかった」。

 五輪銅メダリストとして臨む今季は、ワールドカップ(W杯)やパシフィック・アジア選手権など海外を中心に戦ってきた。結果、国内チームへの対策はおろそかに。それで「打倒ロコ・ソラーレ」を目標に掲げてきた中部電力に勝てるほど、日本選手権は甘くなかった。

 ただ、完敗が成長の種になる。「何が足りなかったかを話し合って、もっとレベルを上げたい」と藤沢。サードの吉田知那美も「悔しいけど、女子カーリングにとってはいいことだと思う」。厳しい競争が、日本女子のレベルを確実に押し上げていく。(吉永岳央)