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 あなたが一票に託した思いを教えてください――。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画をめぐり、名護市辺野古の埋め立ての是非を問う沖縄県民投票。ふだん声高には口にしなくても、基地への思いを抱えて生きる、沖縄の人たちの声を聞き、生活の場を訪ねた。

 豊田恵智子(えちこ)さん(66)は19歳の時、進学のため沖縄を離れた。3年前、介護が必要な父と暮らすため、44年ぶりに夫と故郷に戻った。父は昨年、93歳で亡くなった。幼少期に遊んだ大浦湾の景色は一変。工事区域への立ち入りを制限するオレンジ色のフロートや、多くの作業船が見える。孫が来ると、干潮時に潮干狩りを一緒にするのが楽しみの一つだ。「土砂によって海の生き物、小魚や貝が押しつぶされると思うと寂しくなる。人間のごうまんさで海を変形させ、自然を破壊してはいけない」=2019年2月21日、沖縄県名護市、長島一浩撮影

 沖縄そば店「大城そば家」の大城貞子さん(72)。「最近は中国や韓国からのお客さんも来てますよ。大きなテーマパークができれば一番いいね。危なくないさ。お客さんが集まるだけじゃなく、ここの人がたくさん働くこともできる。私は働くのが大好き。お店をやってるからね、いろんな考えのお客さんがいるから、私は賛成か反対か、言えないさ」=2019年2月19日、沖縄県名護市、川村直子撮影

 コールセンターで働く狩俣日姫(かりまたにつき)さん(21)。普天間飛行場のすぐそばで生まれ育った。「普天間を早くなくしてほしいけど、辺野古に造ってほしくない。なんで沖縄なの。どっちも沖縄で、それならどうして、住んでいる私たちの意見を聞いてくれないの。基地問題を話すのはめっちゃタブーな感じだけど、知識がないとしゃべっちゃいけない雰囲気っておかしい。怖がらず、面倒くさがらずに、どんなことでも話し合うのが、大事なことだと思う」=2019年2月19日、沖縄県宜野湾市、川村直子撮影

 サトウキビを収穫する小山貴也さん(48)。10年前、東京から妻(47)と2人で石垣島を訪れ、そのまま居着いた。農作業の手伝いをして暮らしている。「辺野古に造ったからって、普天間が本当に返ってくるの? そもそも沖縄の人たちの土地だったのに、こんなに基地だらけになっちゃったのは異常なこと。この環境に慣らされて黙ってしまわず、何かおかしいなって思ったら、もっと怒らないとダメだよね」=2019年2月16日、沖縄県石垣市、金子淳撮影

 東京から移住して12年になる由利玲子さん(41)。3人の子どもたちは沖縄で生まれた。「私は外から来て、沖縄にお邪魔して暮らしている。だからこそ、沖縄のことをもっと知りたい。引っ越してきた当時、戦争の跡が町の中にも残っていると感じた。基地問題は、深い根っこまで分かっていないかもしれないけど、平和を守っていきたい」=2019年2月16日、沖縄県那覇市、関田航撮影

 琉球大3年の出川大司(ひろし)さん(23)は母(70)と2人暮らし。この春からのカナダへの留学費用を稼ぐため、大学を昨年休学し、愛知県田原市の自動車工場で期間工として働いた。月に5万円、母への仕送りも続けた。英語を話せる友人の中には、基地内のフードコートでアルバイトをする人もいる。「政治的なことは分からないけれど、沖縄だけで解決できる問題ではないことを、みんなに知ってほしい」=2019年2月18日、沖縄県うるま市、長島一浩撮影