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 開幕前から西村徳文監督に「守護神」と認められる右腕の調整法に、思わず「へぇ!」と声をあげてしまった。増井浩俊(34)のことだ。

 昨季リーグ2位の35セーブを挙げた増井を、敵チームの西武担当記者として見ていた。リーグ優勝を遂げた強力打線はすごかったが、半面、抑え投手はなかなか定まらなかった。だからこそリーグを代表するストッパーに話を聞いてみたかった。機会は第1クールに訪れた。

 150キロ台のキレのある直球と、フォークが持ち味。だが今キャンプ2度目のブルペンに入った4日は、投げているイメージのなかったカーブが主体だった。

 1年で「2、3球程度」という球種を投げたのには意味があった。キャンプ序盤に「強い球ばかりだと、(肩やひじに)負担がかかる。変化球は緩いものから」。初日は真っすぐのみ。そこからカーブ、チェンジアップ、スライダー、フォークと、ブルペンに入る度に球種と球数を増やす。これは「苦手な球種の順番」でもあり、キャンプが終わる頃には全球種の精度を等しくするのも狙いだという。

 今年は苦手とするカーブでカウントを取ることを目指している。ソフトバンクのサファテや森唯斗を見て、投球の幅も広がると考えたそうだ。「低めにいくんだけど、そこ(ストライクゾーン)にはいかないんだよね」と言うが、焦りはない。

 1球のミスが命取りとなる場所で、歴代14位の通算145セーブ。「へぇ!」の先に見えた増井の探究心に、敬服した。(大坂尚子)