[PR]

 震災遺構としての存廃が住民訴訟にまでなった岩手県大槌町の旧庁舎は解体工事が進み、19日までに基礎部分のコンクリートも撤去された。あとは、がれきなどを運び出すのみとなっており、予定より早く今月中にも整地が終了する見通しとなった。

 津波にのまれた庁舎前で町職員だった夫を亡くした前川寿子さん(60)は、すっかり更地となった現場を見て「ショックです」。

 原因究明を求めてほかの遺族らと旧庁舎の一部保存を求めてきたが、かなわなかった。「うちの父ちゃんが30年も働いてきた『生きた証し』の場所なのに、何も残っていない。目印ぐらい、何か立ててほしい」とつぶやいた。(本田雅和)