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シリコンバレーを生きる

 今年1月、米ラスベガスで開かれた国際家電ショー(CES)で、注目を浴びた日本のスタートアップ(立ち上がったばかりのベンチャー企業)がある。杉江理さん(36)がもの作り仲間2人とつくった「WHILL(ウィル)」だ。披露したのは自動運転の車いす。だれも乗っていない車いすが、障害物を自動的によけながら進んでいく。スマートフォンで操作し、離れた場所から近くまで動かすことも可能だ。

 車いすを使う障害者や高齢者が、車で移動するほどではない1、2キロの短距離を移動する時に、自動運転の車いすが迎えに来てくれて、目的地まで移動。用を済ませて戻り、そのまま車いすは別の利用者の所へ向かう。自動運転の車いすがシェアされ、近距離の移動が自由になる未来が来るかもしれない――杉江さんは、そんな未来を思い描く。

自動車大手を飛び出す

 シリコンバレーの住宅地に、小さな倉庫のような建物が軒を連ねる一角がある。ウィルの車いすはここで開発された。従来は難しかった5センチの段差を乗り越えられる機能性だけでなく、見た目や組み立てのシンプルさも評価され、これまでCESで3度の賞を受けたのをはじめ、国内外の多くの賞を受賞した。

 杉江さんがシリコンバレーに来たのは、2013年のこと。大学卒業後の07年、日産自動車に入社し、研究所で車のデザインを担当していた。週末には会社の枠を超え、異業種の若者が集まって一緒にものづくりに取り組むグループを作っていた。ペットボトルのキャップを開けやすくするふたを作ってみたり、風を可視化するアート作品を作ったり。賞金の出るコンペも争った。ところが、副業規定に反するとして、人事課に呼び出されるようになった。

 「きみはいつも何をやっているんだ」。毎週のように呼び出され、すぐ活動をやめるよう注意を受けた。

 「異業種の人たちと新しいアイ…

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